身体のこと

呼吸の仕組みがわかる|横隔膜と呼吸筋のメカニズムを解説

呼吸の仕組みを理解する上で、全体のイメージを「ポンプ」として捉えることができます。

このポンプには、可動部分と外壁があり、それぞれが連動することで呼吸が行われます。

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まず、可動部分として機能するのが横隔膜です。

横隔膜は胸と腹を分ける筋肉で、上下に動くことで肺の容量を変化させ、息を吸ったり吐いたりします。

この動きはまさにポンプの動作そのものです。


次に、外壁にあたるのが胸郭です。

胸郭は肋骨や胸骨、筋肉などで構成されており、肺や心臓を守る役割を持ちながら、呼吸の際に柔軟に動くことができます。

胸郭が動くことで、横隔膜の動きを助け、スムーズな呼吸が可能になります。


この外壁(胸郭)と可動部分(横隔膜)が連動して働くことで、私たちの呼吸が成り立っています。

簡単に言うと、ポンプの可動部分である横隔膜が上下に動き、外壁である胸郭がそれを支え、私たちが日々何気なく行っている呼吸が実現しているのです。

このポンプの仕組みが正しく機能することで、効率的な呼吸が可能となり、身体全体の酸素供給が安定したり、姿勢の安定にも繋がります。


横隔膜は呼吸において中心的な役割を果たす筋肉です。

体内の解剖学的な位置としては、胸腔と腹腔を隔てるように広がっており、ドーム状の形をしています。

この筋肉が上下に動くことで、呼吸の基本的な動作が行われます。

息を吸うとき、横隔膜は下に向かって収縮し、胸腔の体積が広がることで肺が膨らみ、空気が取り込まれます。

逆に息を吐くときには横隔膜が弛緩し、ドーム状に戻ることで胸腔が狭まり、肺から空気が押し出されます。

この一連の動作が、呼吸のポンプ機能を担っており、横隔膜はその中心的な存在とも言えます。


また、横隔膜は他の筋肉と異なり、自律神経によって制御されているため、意識していなくても自然に呼吸を続けることができています。

横隔膜の動きがスムーズであれば、呼吸は深く、効率的に行われますが、横隔膜の柔軟性や機能が低下すると、浅い呼吸や過呼吸などの問題が起こりやすくなります。

このように、横隔膜は呼吸のメカニズムにおいて欠かせない筋肉であり、身体の状態やリラックス度合いに大きく影響を与える重要な役割を持っています。


胸郭は、肋骨、胸椎、胸骨、そしてそれらを支える筋肉で構成されており、呼吸を支える重要な構造です。

肋骨は胸骨と背骨(胸椎)に繋がりながら、胸郭という骨格の「外壁」を形成します。

胸郭は、肺や心臓といった内臓を保護するだけでなく、呼吸時に柔軟に動くことで、横隔膜の働きをサポートしています。

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呼吸時には、胸郭が上下左右に動くことで、胸腔の体積が変化し、肺が拡張したり収縮したりします。

息を吸う際には胸郭が広がり、横隔膜が下がることで胸腔が広がり、空気が肺に入ります。

反対に、息を吐く際には胸郭が元の位置に戻り、胸腔が狭まることで肺から空気が押し出されます。

この胸郭の柔軟な動きが、スムーズな呼吸に欠かせない役割を果たしています。


さらに、胸郭の柔軟性は呼吸の効率にも大きく影響します。

胸郭が硬く動きが制限されてしまうと、呼吸が浅くなり、酸素の供給量が減少することになります。

日常的に運動不足や姿勢の悪さが続くと、胸郭の動きが出づらくなり、深い呼吸ができなくなることがあります。


そのため、胸郭の柔軟性を保つためには、定期的なストレッチや運動、呼吸エクササイズが重要です。

胸郭の可動制限をなくすことで呼吸を深くし、リラックスしやすい身体にしましょう。


呼吸は、多くの筋肉が連携して行われる複雑なプロセスです。

上記の項目では、横隔膜について取り上げましたが、肋間筋、そして腹斜筋、腹横筋といった呼吸筋も呼吸において大切な筋肉です。

これらの筋肉が正しく機能することで私たちは自然に呼吸を行うことができています。

横隔膜は、呼吸の主役とも言える筋肉で、息を吸うときに大きく下がり、肺が広がって空気を取り込む働きを担っています。

一方、肋間筋は肋骨の間に位置し、息を吸う際に肋骨を外側に広げ、胸郭を拡張させます。

これにより、横隔膜とともに胸腔の容量が増え、肺が十分に膨らむことが可能になります。

息を吐く際には、腹筋群が重要な役割を果たします。

腹斜筋や腹横筋が収縮し、反対に横隔膜が弛緩することで元の位置に戻ります。

これにより、肺の空気が押し出され、スムーズな呼気が行われるのです。


このように、呼吸筋はそれぞれの役割を分担し、呼吸を円滑に進めるために欠かせない存在です。

これらの筋肉が正しく機能し、バランスよく働くことで、私たちは呼吸を自然に、そして効率よく行うことができます。


呼吸は通常、横隔膜や肋間筋などの主要な呼吸筋(=主動筋)で行われますが、状況によっては主動筋をアシストする筋肉(=補助筋)が活躍します。

これらの呼吸補助筋は、体が通常の呼吸だけでは十分な酸素を取り入れられないと感じた時に働きます。

例えば、激しい運動やストレス時、呼吸困難を感じる状況などです。

代表的な呼吸補助筋としては、首周りの斜角筋や胸鎖乳突筋、背中の広背筋などが挙げられます。

これらの筋肉は、息を大きく吸う際に胸郭をさらに引き上げたり、肩を持ち上げたりする役割を果たします。

こうした動きによって胸腔が拡大し、通常より多くの空気を肺に送り込むことができます。


通常、呼吸は主に横隔膜や肋間筋によって行われますが、これらが弱くなったり、適切に機能しないと、補助筋が過剰に働くことになります。


この状態が続くと、補助筋の過活動が肩こりや首の張りを感じたり、慢性的な緊張を引き起こすこともあります。

特に姿勢が悪い場合やストレスの強い状況で、補助筋に余分な負担がかかってしまうことが多いです。


また、呼吸補助筋は呼吸だけでなく、姿勢を保つたことにも関与しています。

姿勢が悪いとこれらの筋肉が過剰に働くため、肩こりや首の張りを引き起こすことがあります。

日常生活での呼吸の質を高めるためには、補助筋が過度に働かないように、呼吸パターンの向上(主動筋がメインで動く呼吸)や、姿勢改善が重要です。


今回は、呼吸の仕組み・構造・関連する筋肉についてご紹介させていただきました。

現代の生活環境やストレス、姿勢の悪化により、呼吸が浅くなりやすいです。

このような状態が続くと、ストレスで辛くなったり、身体が疲れやすくなったりします。

また、呼吸が浅くなることで、酸素供給が不十分となり、集中力が低下する原因にもなります。


呼吸が改善することで今より良くなることはたくさんあります!

呼吸の仕組みやどんな効果があるか、興味を持ってくださった方はぜひ、こちらをやってみてください!

・自分の呼吸に意識を向ける

・リラックスできる体勢で呼吸を繰り返す


ご覧いただきありがとうございました!

”今” を大切に、さらに楽しく生きていきましょう✨


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